後遺障害等級認定サポート

適切な後遺障害認定を受けるための3つのポイント



等級認定を受けるまでの手順と注意点

賠償額を多く得るためには、後遺障害の等級認定を受けることが極めて重要です。
そこで、後遺障害の等級認定について、詳しく説明させていただきます。
実際には、医学知識や認定手続のための実務経験が必要であり、後遺障害認定の実績が豊富な弁護士に相談・依頼することが重要です。

1 治療及び検査:積極的に医療機関における治療を受け、また、的確な検査を受ける

2 後遺障害診断書:適切な時期に、医師より詳細に後遺障害診断書を書いてもらう

3 等級認定機関への申請:等級認定機関に申請をする

4 等級認定の取得:適切な等級認定を受ける

1 治療及び検査 のポイント

 

⑴ 治療

治療と一口にいっても、やみくもに治療を受ければ良いというわけではありません。
ポイントしては、以下のような点を挙げることができます。

① 通院回数

後遺障害の等級認定を受けるためには、病院への通院回数も考慮されます。
病院での治療については継続的に行きましょう。お仕事などで忙しかったとしても、継続的に治療してもらいましょう。
病院への通院歴が少ない場合、後遺障害として認定されないことがあります。

なお、病院で治療を受けることが重要であって、病院へ全く行かず、整骨院のみに行くなどということでは、後遺障害の認定が受けられなくなってしまう危険性があります。

② 自覚症状

ご自身が感じている症状(自覚症状)については、「事故の当初」から、カルテ・診断書に記載してもらいましょう。
医師の主な仕事は、後遺障害の等級を認めてもらうことではなく、体を治すことにありますから、自覚症状がカルテや診断書に詳細には記載されないことがあります。

③ 継続性

後遺障害の等級認定を受けるためには、事故当初から一貫してその箇所にその症状が生じていることもポイントとなります。
症状の記載がカルテ・診断書に継続的に記載されていることも重要になります。

なお、後遺障害の認定を受けるにあたっては、症状固定後も、病院に通院していることも重要です。
症状固定後も痛みが残存しているのであれば、通院しているはずと判断されるからです。

⑵ 検査

後遺障害の等級を獲得するためには、的確な検査を受けることが重要です。
ただ単に検査を受けるというだけでは不十分です。

例えば、整形外科の病院では、「骨には異常はありません」と言われることがあります。
しかし、実はMRIの検査を受ければ、神経根に異常が見つかることなどがあります。検査を受けた病院では、MRIの検査を取り扱っていなかった、などということがあるのです。

このような事例が存在するということはお分かりいただけたと思いますが、そもそも後遺障害の等級認定においては、医学的に客観的な証明がなければ、高い等級認定を得ることが困難となります。
何よりも医師による正しい検査を実施することが重要なのです。

したがって、様々な痛みが残存することが予測される場合には、整形外科の検査だけでなく、神経内科、脳神経外科、麻酔科など、他の専門科目で受診・精密検査まですることをお勧めいたします。

ただ、そうは言っても、医師自身は治療を目的としていて、後遺障害等級認定にあたっての検査や仕組みを理解されていない場合もあります。
例えば、膝の十字靱帯の損傷の場合で、ストレスXP検査を受けていない場合や可動域制限の計り方に差異がある場合もあります。
したがって、医師の検査にご不安がある場合には、他の病院での検査まで視野に入れる必要があるかもしれません。
当事務所では、症状固定前に、後遺障害等級を正しく認定してもらうために必要とされる検査がどのような内容なのかまでアドバイスさせていただきます。

どのような傷病の場合に、どのような検査が必要かについては、部位別・傷病別に異なりますから、医師に相談することは当然のこととして、詳しい弁護士に相談することをお勧めいたします。

 

2 後遺障害診断書 のポイント


後遺障害申請には、後遺障害診断書を医師に記載してもらう必要があります。
後遺障害診断書は、通常の診断書と違い、交通事故用の定型の様式があります。
後遺障害診断書は、後遺障害の認定において、最も重要な資料とされます。
ここでポイントを幾つか、ご案内いたします。

⑴ 後遺障害診断書を書いてもらう時期

症状固定時期に後遺障害診断書を書いてもらうことになりますが、症状固定時期は、慎重に決めるべきです。
重傷の方ほど、この後遺障害診断書を書いてもらう時期が遅い傾向にあるように思います。
いずれにしても、早期に書いてもらうことは避けるべきです。

⑵ 後遺障害診断書の内容

後遺障害診断書を医師に書いてもらう際、現在残存している症状の原因が交通事故によるものなのかは別として、症状そのものを客観的に記載してもらうことが大切です。

医師が交通事故との関係性を気にして、記載を躊躇する場合も多いです。
医師に、①傷病名、②自覚症状、③他覚症状及び検査結果、④予後所見を正しく、詳細に記載してもらいましょう。

⑶ 後遺障害診断書のうち、「自覚症状の欄」

後遺障害診断書には、ご自身が感じている症状を医師が記載する欄があります。
当然、医師より症状に関する聴き取りがされますから、正しく症状を伝えることが重要です。
たまたま診断を受けた日の体調が良かったからといって、普段の症状を医師に伝えないというのでは著しく不十分です。

医師による聴き取りの際は、症状を正しく伝えることに加え、その症状が、日常生活や仕事に及ぼしている影響まで正しく訴えましょう。
具体的には、「~の痛みが原因で、…できない」という記載をしてもらえるよう、正しく症状を訴えましょう。

特に、むち打ち症による場合、他人である医師が客観的に症状を読み取ることが困難ですから、自覚症状の記載が重要とされます。
事故当初からの医学的所見と、それと一致する詳細な自覚症状の記載が極めて重要となるのです。

なお、医学的所見と一致しない自覚症状が多数記載されていると、逆に、信用性を疑われてしまうことがあります。
やみくもに症状をあれこれ伝えるのは注意しましょう。

⑷ 後遺障害診断書のうち、「他覚的所見の欄」

後遺障害診断書には「他覚的所見」という欄があります。
この他覚的所見は医師が記入する箇所で、最も重要な箇所です。
この欄に、症状固定時に残った症状に関して、医師に、医学的所見を具体的に記入してもらいましょう。
その裏付けとして、症状を医学的に証明にできる根拠とともに記載してもらう必要があります。

具体的には、レントゲン、MRIなどの画像所見や、その他、例えば、神経伝達検査の結果、可動域を調べた結果などを詳細に記載してもらいましょう。
この箇所を詳細に記載してもらうために、前述したとおり、詳細な検査を受ける必要があるのです。
この他覚的所見欄の検査結果の記載が、高い等級認定を受けるためのポイントでもあるのです。

なお、検査結果で所見が出ていない場合に、所見がないことが記載されている診断書を拝見する機会があります。
このような記載があると、逆に、後遺障害の認定を否定する理由を与えるだけになってしまいかねませんので、あえて記載してもらう必要はありせん。

前述したとおり、どのような傷病の場合に、どのような検査が必要かについては、部位別・傷病別に異なりますから、医師に相談することは当然のこととして、詳しい弁護士に相談することをお勧めいたします。

 

3 まとめ

適正な後遺障害認定を受けるためには、冒頭でお伝えしたとおり、以下の点がポイントとなります。

1 実績豊富な弁護士

できる限り早期に、後遺障害認定実績が豊富な弁護士に相談する

2 協力的な医師

交通事故の治療、特に後遺障害の認定に協力的な医師を見つける

3 具体的に実行

適切な治療を受ける、後遺障害の認定を受け適切な賠償金を獲得する、そのために具体的に実行する


後遺障害の認定を受けるためには、弁護士に依頼すれば良いというわけではありません。
依頼する弁護士が適切なアドバイスをすることができるかにより、認定結果が変わってくると言っても過言ではありません。

当事務所では、経験豊富な弁護士が対応します。
弁護士が、適切な治療、検査、後遺障害認定、賠償金の獲得に向けた正しい見通しによる計画を立て、それを実行していきます。
少しでも交通事故で後遺障害に苦しむ方のお力になれればと思っていますので、お気軽に、またなるべく早期に、ご相談ください。