自転車事故の被害者の方へ
自転車事故の特徴やポイントをご説明いたします。
自転車事故の特徴
⑴ 重症となりやすく、後遺障害が残ることが多い
自転車事故は、車での事故などと違って、生身での事故ですし、自転車という小さな車体になりますから、重症となりやすく、後遺障害が残ることが多いという点が自転車事故の特徴になります。
打撲はもちろん、骨折や脱臼、脳に障害が残る、ひいては亡くなってしまうといったケースが後を絶ちません。
⑵ 事故が起こりやすい
自転車事故は、重症となりやすいだけでなく、二輪走行という性質上、転倒しやすく、事故が起きやすいという点も自転車事故の特徴と言えます。
スリップや自動車の死角に入りやすいことからも、自転車事故は多いと言えます。
⑶ お子さんの自転車事故
自転車を運転する際、当然ですが、運転免許はいりません。
ですから、自転車事故に遭う方は、お子さんであるケースが多くあります。
お子さんが事故の被害に遭った場合でも、当然、相手方や相手方保険会社に損害賠償請求をすることができます。
当事務所にご相談やご依頼いただく方の中でも、お子さんが自転車事故の被害に遭われたという方が多数いらっしゃいます。
自転車事故における治療のポイント
⑴ 骨折
自転車事故では、骨折することが多くあります。
骨折した場合には、事故直後に、レントゲン撮影してもらうことが重要です。
違和感を覚える部位は全てレントゲン撮影してもらいましょう。事故後しばらく時間が経過してから、違和感が増していき、実は骨折していたことが発覚したというケースも多くありますから、注意してください。
⑵ 肩や膝など
自転車事故で骨折があった場合には、骨折した箇所の処置が優先されるため、肩や膝などに痛みがあったとしても、後回しにされてしまうことがあります。
しかし、肩の腱板損傷や、膝の半月板損傷などは、レントゲンではなく、MRIで撮影しないと発見できないことも多く、事故からだいぶ時間が経過してから発覚することがあります。
このように、事故からだいぶ時間が経過してから発覚した症状については、事故以外の理由によって負傷したものとして、相手方保険会社が事故との因果関係を争ってくることがあります。
例えば、事故による怪我ではなく、事故後に転倒して怪我をした可能性があるなどと、争ってくるわけです。
無用の争いを避け、安心して治療に専念するためにも、早い段階でMRI撮影や検査をしていただく必要があります。
遠慮せずに、素直に医師に症状を伝えることがポイントとなります。
⑶ 頭部
事故で頭部を強打して自覚症状もある場合には、事故当日や翌日にCT撮影等が実施されます。
しかし、頭部を打ったことに気が付かない場合や、頭部を打っても自覚症状が無い場合などには、頭部のCT撮影がされないことも多くあります。
後になってから異常を感じ、CT撮影等により症状が明確になった場合、やはり事故以外の理由によって負傷したものとして、相手方保険会社が事故との因果関係を争ってくることがあります。
無用の争いを避け、安心して治療に専念するためにも、早い段階でCT撮影や検査をしていただく必要があります。遠慮せずに、素直に医師に症状を伝えることがポイントとなります。
特に頭部を負傷した場合、高次脳機能障害が残る可能性がありますから、十分に気を付けてください。
高次脳機能障害では、外からは気が付きにくく、分かりにくい症状が出ます。
例えば、次のような症状が出た場合には、高次脳機能障害のおそれがありますから、直ちに医療機関で受診してください。
・忘れやすい
・集中できない
・自分から行動できない
・行動や感情をコントロールできない
・怒りっぽい
・言葉を発しにくくなる(失語症)
自転車事故における損害賠償
損害賠償の方法や金額に関しては、自動車による事故の場合と同様になります。
自転車事故の特徴を挙げると、ヘルメットの装着や運転の安全性などによって、過失割合に差が出ることがある点かと思います。
自転車事故における後遺障害申請や示談交渉のポイント
⑴ 早期に弁護士に依頼する(適切な後遺障害等級を獲得するため)
自転車事故から時間が経った後に弁護士に依頼したのでは、必要な資料の収集が不十分になったり、そもそも重要な証拠資料を確保できなくなるリスクがあります。
自転車事故により一定程度の後遺症が残った場合には、後遺障害申請をすることとなります。
後遺障害申請をして、後遺障害等級に認定されることにより、賠償額は倍増します。
この後遺障害申請をする際に適切に後遺障害等級を獲得するためには、通院段階から入念に準備して検討を進めることが極めて重要となります。
相手方保険会社に手続を委ねることもできるのですが、辞めるべきです。
被害者請求という手続をとることを強くお勧めします。
そして、何より、医師に適切な後遺障害診断書を書いていただく必要があります。
そのためにも事前の入念な準備が重要となるのです。また、医師が後遺障害診断書を必要かつ十分に記載してくれるとは限りません。
残念ながら、記載漏れといったことも一定数あります。
後遺障害申請をする前であれば、医師に書き直しをお願いさせていただくこともできますから、この意味でも早期の依頼が重要となってくるわけです。
当事務所では、事故直後からの受任を推奨しておりますし、適切な後遺障害等級を獲得することができるよう尽力させていただいております。
⑵ 早期に弁護士に依頼する(過失割合での交渉を有利に進めるため)
自転車事故が起こると、お怪我が落ち着くまでに一定の時間がかかります。
そのため、物損に関する示談が先に成立します。ただし、物損で決まった過失割合は、後日のお怪我での示談交渉の際に、そのまま採用されます。
したがって、自転車事故で物損の損害額が大きくないからと言って妥協して示談してはいけません。
多少時間がかかってでも、物損での過失割合を慎重に検討してから、示談することをお勧めします。
自転車事故での弁護士の選び方
⑴ 弁護士の選び方
自転車事故での損害賠償を依頼するのであれば、自転車事故に強い弁護士に依頼すべきです。
自転車事故に強い弁護士とは、治療の初期段階から医療画像や医療検査を踏まえた上で、適切な後遺障害等級の認定を獲得するために、必要な治療や検査内容・診断書の作成を被害者やご家族に伝えることができる弁護士のことです。
弁護士であれば、誰もが自転車事故や交通事故に精通しているわけではありません。
当事務所は自転車事故に注力していますし、今後の治療や検査をはじめ、後遺障害等級獲得、ひいては損害賠償や訴訟を見据えてアドバイスをさせていただきます。
⑵ 弁護士費用
当事務所では、自転車事故の被害に遭われた方やそのご家族の方々のために、法律相談料を無料とさせていただいております。
ご依頼をいただく場合にも、弁護士費用特約がご利用可能であれば実質的なご負担をいただきませんし、弁護士費用特約に加入していらっしゃらない場合でも着手金を無料とさせていただき、報酬金は相手方から獲得する賠償金の中から頂くシステムを採用させていただいております。
なお、自転車事故に遭われた方が未成年の場合、親権者の方とご契約させていただく形になります。