交通事故の慰謝料が適正か分からない

慰謝料とは

交通事故における慰謝料とは、交通事故の被害にあわれた方が加害者(加害者の保険会社)から支払ってもらう精神的損害に関するもので、賠償金の一つです。
慰謝料は賠償金の一項目にとどまり、賠償金全体を指しているわけではありません。
そこで、まずは、被害にあわれた方が請求できる賠償金の主な項目についてご説明させていただきます。

 

賠償金の主な項目

・治療費
・通院交通費
・休業損害
・入通院慰謝料

(後遺障害に認定された場合には、さらに)
・逸失利益
・後遺障害慰謝料

 

慰謝料に関する3つの基準と計算式

 

そもそも慰謝料には、入通院(傷害)慰謝料と後遺障害慰謝料があります。
後遺障害慰謝料は、後遺障害に認定された場合に支払われるものです。
後遺障害慰謝料は、入通院(傷害)慰謝料とは別に支払われる損害で、額も高額になります。

 

後遺障害に認定された場合には後遺障害慰謝料の金額でトラブルになることはさほど多くはありませんが、後遺障害に認定されるかどうかについて、事前に弁護士にご相談されることを強くお勧めいたします。

 

ここでは、入通院(傷害)慰謝料について、検討して参りたいと思います。
入通院(傷害)慰謝料については、相手方保険会社とトラブルになることが非常に多くあります。
あるいは、保険会社が法的知識のない方を相手に、低額な慰謝料で示談させようとしていることは非常に多く存在します。

 

保険会社も利益を追及する営利団体である以上、保険会社として支払う金額を少なくしようとしてきます。
わざわざ親切に正しい金額を教えてくれることはありません。
そこで、慰謝料の基準と計算式を正しく知る必要があるのです。
以下でご紹介いたします。

 

その1・自賠責基準

自賠責保険の計算基準は法律で決まっており、慰謝料は1日4200円とされています。
入院した場合は、入院期間で計算します。
通院した場合は、「実際に通院した日数」を2倍したものと、「治療した期間」とを比べて、少ない日数が適用されます。

 

(計算例)実際に通院した日数が40日、治療期間が90日のケース
40×2<90 ですから、「実際に通院した日数の2倍である80日」が採用されます。
したがって、慰謝料は、80日×4200円=33万6000円となります。

 

以上が自賠責基準です。
なお、自賠責は、保険会社があなたに支払う支払総額(治療費、休業損害、通院費、入通院慰謝料など)が120万円を超えない場合に限りで、支払がされます。

 

その2・任意保険基準

加害者が任意保険に加入している場合、多くのケースでは任意保険会社が示談交渉の窓口となります。
保険会社が自賠責基準で慰謝料の金額を提案してくることもありますが、自賠責はあくまで最低限の基準にすぎないということを知っておいてください。

 

保険会社は慰謝料について独自の基準を設けていることがあり、その基準によって慰謝料の金額を提案してくることがあります。
しかし、保険会社と交渉する際は、弁護士基準(裁判基準)に基づいて請求してください。金額が大きく異なることがほとんどです。

 

その3・弁護士(裁判)基準

弁護士(裁判)基準は、自賠責基準や任意保険基準と大きく異なります。
裁判をした場合であれば、どの程度の慰謝料が認められるかという基準です。
弁護士に依頼した場合、直ちに慰謝料が増額されるケースも非常に多く存在します。

 

弁護士費用特約にご加入されている場合には、弁護士費用をご負担いただく必要が基本的にありませんから、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士(裁判)基準は、2つの表に分かれています。

 

むち打ち症などで他覚的所見がない場合は、別表Ⅱをご利用ください。
それ以外の場合は、別表Ⅰをご利用ください。

むち打ち症などで他覚的所見がない場合(損害賠償額算定基準:別表Ⅱ)

 

 

上記以外の場合の傷害部分の慰謝料基準表(損害賠償額算定基準:別表Ⅰ)

(単位:万円)