耳の後遺障害について

交通事故の被害にあい、耳に後遺障害を負ってしまう場合があります。

耳の後遺障害は、大きく分けて、以下の3つに分類することができます。

 

①欠損障害

欠損障害とは、耳介(じかい)の大部分(耳介の軟骨部の2分の1以上)を失ったことに関する後遺障害をいいます。

 

②機能障害

機能障害とは、聴力を喪失、あるいは聴力の低下をしたことに関する後遺障害をいいます。

 

③その他の障害

上記の①や②以外にも、耳鳴や耳漏といった難聴を伴う場合があります。

30dB以上の難聴を伴う場合は、後遺障害として認められることがあります。

 

耳の後遺障害の認定基準

 

①欠損障害

等級

認定基準

12 級 4

1 耳の耳殻の大部分を欠損したもの

 

②機能障害

②-1 両耳の聴力に関するもの

等級

認定基準

4 級 3

両耳の聴力を全く失ったもの

6 級 3

両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの

6 級 4

耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が 40cm 以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

7 級 2

両耳聴力が 40cm 以上の距離では、普通の話声を解することができない程度になったもの

7 級 3

耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が 1m 以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

9 級 8

耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が 1m 以上の距離では普通の話し声を解することが困難である程度になったもの

10 級 5

両耳の聴力が 1m 以上の距離では普通の話し声を解することが困難である程度になったもの

11 級 5

両耳の聴力が 1m 以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

 

②-2 片耳の聴力に関するもの

等級

認定基準

9 級 9

1 耳の聴力を全く失ったもの

10 級 6

1 耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの

11 級 6

1 耳の聴力が 40cm 以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

14 級 3

1 耳の聴力が 1m 以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

 

③耳鳴・耳漏

等級

認定基準

12 級相当

30dB 以上の難聴を伴い、著しい耳鳴りを常時残すことが他覚的検査により立証可能なもの

30dB 以上の難聴で、常時耳漏を残すもの

14 級相当

30dB 以上の難聴を伴い、常時耳鳴りを残すもの

30dB 以場の難聴で、耳漏を残すもの

 

耳の後遺障害の等級認定のポイント

 

耳の後遺障害のうち、聴力障害の等級認定については、純音聴力検査と語音聴力検査の測定結果をもとにして、両耳では6段階、片耳では4段階の等級が設定されています。

 

なお、両耳の聴力障害については、障害等級表の両耳の聴力障害で認定し、片耳ごとの等級による併合の扱いは行ないません。

 

耳の後遺障害の場合でも、頭部外傷を原因とする聴覚「神経」の損傷による障害が発生するケースがあります。しかし、一般的に耳鼻科の日常の診察は、外耳、中耳、内耳炎の治療などが中心となっていますので、このような場合、耳鼻科での診断のみならず、脳神経外科や神経内科で診察を行なってもらうことが、適切な等級認定を獲得するためには必要です。

 

耳の後遺障害についてお悩みの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。